タキ1900(三菱鉱業セメント)10両 入線

ヤ○オクにタキ1900が5ケース(KATO、品番8040、1ケース2両入り)も出品されており、『これは買いだ』と思い入札したところ、無事に落札できました。
三菱鉱業セメント仕様(赤い三菱マーク)です。

タキ1900は、ホキ5700の登場の後、セメント輸送の標準化により誕生した形式です。
※参照 ホキ5700(秩父セメント) 入線
https://tetumo.hatenadiary.org/entry/2022/10/16/085527

     ↑ホキ5700

 

タキ1900は、昭和39(1964)年から昭和56(1981)年にかけて製造された40t積みセメント専用の私有貨車(タンク車)です。

川崎車輌日立製作所日本車輌製造三菱重工業で、78ロット・1,729両が製造されました。

住友セメント・大阪セメント・小野田セメント(現在の太平洋セメント)・チチブセメント・日本セメント日立セメント三井鉱山・三菱鉱業セメント(現在の三菱マテリアル)・東北開発・明星セメント・電気化学工業・セメントターミナル・敦賀セメントが所有していました。

本形式は、粉体セメント専用車として、日本初の40t積み貨車です。
40tものセメントを積載するため、台枠中梁とタンク体をタンク受台を介して強度的に一体化して自重削減を図りました。
タンク体は普通鋼製のドームレス異径胴で、内側にはセメント付着を防ぐため、耐アルカリ塗料が塗布されています。

積み込み口は3箇所または4箇所あり、車体下部中央の両側に取り降ろし口を装備しています。この形態は所有者により異なります。

荷役方式はエアスライド式です。これはセメントを取り出す際に、タンク下部から空気を噴き出し、タンクとセメントの間に薄い空気の層をつくってセメントを流し出す方式です。

台車は、ベッテンドルフ式2軸ボギー台車です。

   ↑ベッテンドルフ式台車

     ↑模型詳細


車体の塗装は基本的には黒色ですが、大量集約輸送用(セメントターミナルの所有)は区別のため薄緑色(淡緑3号)に塗装されていました。

↑タキ1900(セメントターミナル所有)

 

国鉄末期の昭和61(1986)年度から本形式の淘汰が始まり、昭和62(1987)年4月の国鉄分割民営化時には1,466両がJR貨物に継承されました。
平成7(1995)年度末時点では1,333両が現存していましたが、以後は各地でセメント専用列車の廃止が進んで本形式の余剰車が発生したことや老朽化により廃車が進みました。
平成22(2010)年4月時点では、JR貨物に222両が在籍しています。